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倉田 博基
Ultramicroscopy, 78(1-4), p.233 - 240, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:46.6(Microscopy)透過電顕に結像型分析機能を複合した、いわゆるエネルギーフィルター電顕法は、高い空間分解能と軽元素のマッピングに有利などの特性を生かして、現在広い分野で利用され始めている。本研究では、このマッピング手法を超高圧電子顕微鏡に適用した場合のメリットについて検討した。その結果以下の点を明らかにした。(1)入射電子エネルギーが高いと、非弾性散乱電子によるマッピングでは対物レンズの色収差による分解能の劣化を受けにくく、高分解能観察に有利である。(2)超高圧電顕では、電子の非弾性散乱過程における相対論効果が顕著になり、その結果、高い空間分解能を維持した測定条件で、非弾性散乱強度の検出効率が向上するため、マッピングの感度が高くなる。(3)定量マッピングに適した試料厚さに対する制限が緩和され、よりバルクな情報を得ることができる。